北海道作業療法士学会でポスター発表を行いました

訪問看護ステーションいろはす 作業療法士の八重樫です。

このたび、北海道作業療法士学会にてポスター発表を行いました。

子どもの「好き」が未来につながる支援を目指して

今回発表した事例は、自閉スペクトラム症(ASD)などの特性があり、不登校傾向のあったお子さんへの訪問リハビリテーションについてです。ものづくりへの強い興味を持つ一方で、自分の作品や考えを他者に伝えることへ不安を感じ、「将来やりたいことは特にない」と話していました。

訪問では、お子さんが好きな創作活動を一緒に楽しみながら、作品へのこだわりや世界観を尊重し、肯定的な関わりを継続しました。その結果、「作品を見てもらっても大丈夫かもしれない」という安心感が育まれ、自ら「将来はフィギュア造形士になりたい」と夢を語るようになりました。また、学校生活にも前向きな変化が見られ、毎日登校できるようになるなど、大きな成長につながりました。

この経験から、子どもの「好き」や「楽しい」という気持ちに寄り添うことが、自己表現や将来の目標の形成につながることを実感しました。

そこで今回は、「小児訪問看護における自己表出に乏しい自閉スペクトラム症男児に短縮版小児作業プロフィールを活用し、意志の向上と将来目標の形成がみられた事例」をテーマに、その支援の過程と成果について発表しました。

発表者より

今回の事例を通して、子どもの「好き」や「楽しい」という気持ちには、その子の未来を切り拓く大きな可能性があることを改めて実感しました。一見すると遊びに見える活動の中にも、自己表現や挑戦する力、将来の夢につながる大切なきっかけが隠れています。

学会では多くの先生方から貴重なご意見やアドバイスをいただくことができました。今回の学びを今後の支援に生かしながら、これからも一人ひとりの「好き」や「楽しい」に寄り添い、その子らしい成長と未来につながる支援を続けてまいります。

SCOPE(短縮版小児作業プロフィール)とは?

SCOPEは、子どもの「できた!」や「やりたい!」を引き出すための作業療法の評価ツールです。机に向かうテストではなく、普段の様子を観察したりご家族へヒアリングしたりして評価するため、言葉でのやりとりが難しい小さなお子さんでも安心して受けられます。身体の動きだけでなく、本人のやる気や周りの環境まで丸ごと見つめることで、子どもの強みと苦手を整理し、「明日からどんなサポートをすればもっと暮らしやすくなるか」の具体的なヒントが見えてきます。

PVQ(小児版意志質問紙)とは?

PVQ(Pediatric Volitional Questionnaire)は、子どもの「やる気(意志)」や「動機づけ」に特化して掘り下げた作業療法の評価ツールです。SCOPEと同様に机の上のテストは行わず、遊びや着替えなどの普段の様子を観察して評価します。言葉での表現や意思表示が難しい小さなお子さんでも、「何に好奇心を示すか」「どんな環境なら自ら動き出すか」といった内面の意欲を客観的にキャッチできるのが大きな特徴です。子どもの「やりたい!」というエネルギーの源泉を見つけ、自発性を引き出すための具体的なアプローチ法を導き出します。